はじめまして、
スーホ と申します。
モンゴルに住んでいて、仕事は羊飼いです。
僕は、子供の頃、白い馬を拾ったんだ。
白馬の名前は
ツァガン
僕と兄弟みたいに、いつも一緒にいたよ。
子馬だった頃のツァガンです。
月日は流れ、ツァガンは大きく成長しました。
ある日、街で競馬大会が開かれることになりました。
優勝すると、王様の娘と結婚させてくれると言います。
友達にすすめられ、僕は、ツァガンと競馬大会に出ることにしました。
そして一等賞になりました。
王様は、ツァガンをとても気に入り・・・
「銀貨3枚をくれてやる。その馬をおいてとっとと出て行け!」
「僕は、馬を売りにきたのではありません。僕のツァガンをかえしてくれ!」
王様は、嘘をついたのです。
僕は、殴られ追い返されました。
家に戻っても、ツァガンをとられた悲しみとツァガンが今どうしているかを考えると悲しくて悲しくて・・・
すると、傷だらけになって弱りきったツァガンが帰ってきました。
ツァガンは王様のところを抜け出したのです。
王様の家来に弓矢で傷を負わされ、血だらけです。
走って走って走り続け、やっとのことで家にたどり着いたツァガン、
「僕のツァガン!死なないでくれ〜」
看病のかいもなく、ツァガンは死んでしまいました。
う〜悲しいお話。
でもスーホは、誰のことも恨まず、ツァガンの心の声の通りに、ツァガンの骨や皮や筋や毛を
使って、楽器を作りました。それが、モンゴルの民族楽器、馬頭琴なんです。
モンゴル民話『スーホの白い馬/福音館』 参考